梓友会の取り組み efforts

学習療法Learning Therapy

大脳の前頭前野を活性化させることにより、
その機能を回復させ、認知症を予防・改善するものです。
学習療法が目指すもの
従来のリハビリテーションは、脳のある部分が壊れてしまった時に、トレーニングを繰り返すことによって、脳のほかの領域がそれに代替して働きだすことを期待するという考え方でした。一方学習療法では、前頭前野を活性化し、その機能を向上させることで、さまざまな能力の向上を期待しています。 失われた機能を脳の他の領域で代替させるのではなく、前頭前野(ぜんとうぜんや)の潜在能力を回復させることにより、脳の働きを好循環させていこうとするものです。
学習療法の目的は、学習によって認知症の進行を予防・改善し、その人らしく生きていけるようにすることです。
  • preparation
    梓友会での導入準備
    みくらの里では、平成18年8月から準備を行いました。
    まずは実施時間帯、学習療法担当スタッフ、学習していただくことになる入居者の方について検討を始め、くもん担当者の方を交え学習場所の確保や入居者の方への説明等の準備を重ねました。さらに導入済みの他法人での実習を行い、自施設での実施方法を検討し、その間も学習療法士の研修を重ね、11月13日学習療法開始の日を迎えました。
  • Residents
    入居者の様子
    最初は緊張しこわばっていた入居者様の表情も、100点満点をもらうと笑顔になり、満足されていた様子。
    今では学習の時間になると、各自スペースに集まり、お互いにコミュニケーションをとられ「まだ来ないね」と来ていない人の心配をしたり、「最近はこんなことがあった」等お茶を飲みながら会話をされています。
  • Changes in tenants
    入居者の変化
    脳梗塞後遺症にて半身に麻痺のある方が、手すりを使いながら一所懸命廊下を車椅子で移動されるされる姿には、スタッフも感動し、意欲を引き出すことが出来たことに驚きました。読み書きを行っている時に何度も読み返されたり、少しでも時間を短縮しようと工夫されたり、皆さん自分なりの取組みをされるようになりました。
  • Confirmation of effectiveness
    FAB・MMSE
    学習療法での効果の確認方法にMMSEやFABといった検査結果を表すグラフがあります。少し専門的な話になるのでここでは詳しく触れませんが、多くの入居者に効果的な結果が現れました。
    詳しくは、くもん学習療法センターのホームページにて確認できます。

ミッケルアートMikkelart

「ミッケル=見つける」を語源とした造語です。
社会福祉法人梓友会は、ミッケルアートを導入しています。
ミッケルアートは、2010年に、静岡大学発ベンチャー企業・株式会社スプレーアートイグジンが、介護施設のご利用者の真のニーズを引き出すコミュニケーションツールとして開発されました。
東京医科歯科大学大学院らと共同研究を行い、認知症の周辺症状緩和効果への有効性が確認され、日本認知症ケア学会と日本認知症予防学会で学会賞を受賞されています。
また、『ミッケルアートキッズ版』では、アートを飾ったり、アートを見ながらみんなで考え、意見を出し合う環境を作ることで、子どもたちが主体的に考えて行動する力を育むことを目的としています。
アートを通して、「見る・知る・感じる」ことで、子どもの興味が広がっていき、自ら考え、学ぶ力を育むことが期待されます。

ISO9001ISO9001

ISOとは、スイスのジュネーブに本部を置く国際標準化機構
(International=国際的な、Organaization=組織、forStandardization=標準化)のことで、
「品質管理に関するシステム企画」のことを言います。
梓友会ではISO9001:2000年版を2004年3月に取得いたしました。
梓友会が目指すISO
ISOで法人の経営がすべて上手くいくというものではなく、ISOはあくまでツール(道具)です。現在の社会福祉施設に求められる役割は、「サービス向上を図る」「利用者に快適な生活を提供する」「感染症や災害を防止する」「事故のリスクを軽減する」「地域福祉に貢献する」「利用者の尊厳を守る」など数多く多くあります。
したがって、ISOという品質マネジメントツールを使い、顧客満足度を向上させると同時に、梓友会は経営マネジメントとして職員満足度の向上も図っていかなければならないと感じています。
梓友会はマネジメントシステムにISOの手法を取り入れ、それを独自に発展させたトータルシステムを構築し、将来的にも安定した組織として地域に貢献していきたいと考えております。
  • 01
    プロローグ
    ISOの導入目的は大きく分けて、消極的目的と積極的目的の2つが挙げられます。消極的目的としては、「営業政策上取得することが有利に働く」「会社に箔をつけるため」などが挙げられ、積極的目的としては「個人ファイルの共通化」「ノウハウの資産化」「品質・安全・顧客満足度の実現」「新人の即戦力化」などが挙げられます。梓友会は、ISOの積極的目的を実現するために導入を決意し、個人の頭の中にある手順のマニュアル化を推進いたしました。
  • 02
    導入準備
    ISOには多くの「規格要求事項」があり、もちろんその要求事項を満たすようにマニュアルを作成しましたが、作成段階では「用語の読み替え」が必要でした。例えば、ISO要求事項の「品質目標」には「理念」をあて、「設計」には「ケアプラン」をあてました。このような読み替え作業が生じたのは、ISOがもともと製造業の品質管理システムから始まっていることに起因しています。
    ISOがサービス業に合わないということではなく、ISO最大の特徴であるPDCAサイクルの有効活用によって梓友会のサービス品質は担保されております。
  • 03
    運用
    ISOの継続的推進には、内部監査員の養成と新人教育を含めた全職員の参画と事務局の推進が不可欠です。
    ISOの外部機関により審査は3年に1度の更新審査と年に1度の定期審査しかありません。
    それをうめるのは梓友会の職員が独自に行う内部監査であり、これもまたISOが有効に機能する仕組みの一つとされるます。
  • 04
    現在
    導入当初手探りで始まったISOは、今では運用可能な現実と折り合いをつけながら、常に変化し徐々に形が定まってきています。ISOに規格要求事項はあるが、正解はありません。
    ISOというツールを組織に合わせて使い、審査機関(日本検査キューエイ株式会社=JICQA)の審査を受け、時には議論を戦わせながら、管理責任者と現場スタッフが一致協力し、梓友会は常に多くの顧客満足度を得られるように努力を行っています。

SDGsSDGs

「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称。
梓友会では国連が定めたSDGsの17の目標の中から、
6のゴールを選び、取り組み目標を策定しました。
  • 1.貧困をなくそう
    • ●福祉に携わる職員の待遇向上
      (処遇改善加算、特定処遇改善加算、介護職員処遇改善支援補助金の取得)
  • 3.すべての人に健康と福祉を
    • ●職員に対し健康診断、予防接種等の実施
    • ●市町の健康診断等会場として交流ホールの使用
  • 4.質の高い教育をみんなに
    • ●ミャンマー外国人技能実習生の受け入れ
    • ●福祉出前講座の実施
    • ●資格取得サポート
  • 5.ジェンダー平等を実現しよう
    • ●ハラスメント防止のための研修などの取り組み
  • 8.働きがいも経済成長も
    • ●ケアカルテ、眠りSCAN、HAL等のICTを導入することで働きやすい職場の創出
  • 11.住み続けられるまちづくりを
    • ●自治体と連携し施設の一部に災害備蓄品の備蓄場所として提供